日記みたいなモノ。



2003-11-09 [J]

検挙数の補正は妥当か?

2000年9月9日、日本経済新聞朝刊に掲載されたとされる、東京都立大の前田雅英教授による記事に関してですが、前田雅英教授は自己の理論の中で、「刑法犯検挙率の低下」を理由に「検挙率が下がらなかったらこうなるはず」として、検挙数の底上げをする統計値の「補正」行為を行っています。

既に多くの人が指摘している事ですが、このような恣意的に補正されたデータを基礎として理論構築する行為は、学者として非難されてしかるべきであると考えます。

そもそも検挙率は、当概年の検挙件数(当概年以前の認知事件の検挙も含む)を、当概年の認知件数で割ったものを百分率で表したもので、認知件数の増減によって大きく変化する物です。

例えば、昔は地域共同体が密に作用していましたが、その頃は、若者のチョットしたいざこざや酔っ払いのケンカなどは、かなりの割合で地域の共同体が自体を収拾しており、警察の手を煩わせる必要がありませんでした。

また「警察沙汰にする」行為そのものが、「大人気ない」とか、「人情味が無い」と、非難される対象ですらありました。さらに、人々の意識の変化などにより、過去には黙認されていた行為(例えばいじめ、校内暴力など)が「犯罪」として認知されるようになって来ました。

これを統計に反映させ、昔の犯罪の検挙数の「補正」を行うと、昔の少年はより多くの、犯罪を犯していたという事になってしまいます。

また、警察改革が進み、これまでは「ノルマとして検挙率を上げるため」に、受理してこなかった住民の訴えを、きちんと受理する様になってきた(警察改革が進んでいないなら、この限りではありません)という事も考えられます。

では、これも反映させ、昔の犯罪の検挙数の「補正」を行うとしましょう。他にも、様々な「補正要因」があるかもしれません。

この様に、一次データに対しての「補正要因」はそれこそ星の数ほど在り、いくらでも「好みの補正」が可能です。このような行為は、「可能性を探る手段」としては有効かもしれませんが、「信頼に値する」ものではありません。

前田雅英教授が行ったように、統計による一次データを、自らの論に沿うよう補正したうえで、その補正されたデータに基づいて基礎理論を構築しても、なんら正当性を持たないを事は言うまでもありません。

【参考リンク】

メディアと「青少年凶悪化」幻想

刑事法への招待(第9回)少年法(3)



子ども虐待防止「オレンジリボン運動」

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