2006-02-23 [J]
■ WEB書籍の著作権
桜桃書房・オークラ(オークス)のアンソロ本などが、執筆者に無断でWEB書籍化され、ダウンロード販売されている事が、各所(コチラやコチラ)で問題になっているらしいですね。
私が、別件(後述)でオークスの担当の方にWEB書籍の契約関連を問い合わせた所、「アンソロ本のWEB書籍化は、原則的に書籍の増刷と同じものであり、新たに契約を結びなおす必要はなく、また、新たな印税や稿料も発生しない」との事でした。
しかし、所謂書籍の増刷などと違い、販売形態の全く異なるWEB書籍化は、新しく契約(口頭での契約も含み)を結びなおすべき条項であると思います(例えば、ある単行本が、文庫本で販売しなおされる場合は、通常、新たな契約を必要とします)
実際に、アンソロ本の各執筆者に対しWEB書籍化の断りを入れ、かつ、WEB書籍の印税を別途支払っている会社もありますし。
私も、過去に桜桃書房やオークラのアンソロで執筆していた事があるので、この問題とは無関係ではない……
……のですが、私は他の作家さんと違い「2年ほど前に、担当編集からアンソロ本のWEB書籍化の件を聞いており、印税がもらえない事を承諾してしまった」と言う経緯があったりして、少々複雑な立場だったり……(汗
只これは、あくまでも「予め説明を受けていた、私の場合」であって、他の作家さんは激怒して良い問題だと思いますが。
【関連リンク】
浦嶋嶺至のAREA41: そろそろ問題にしたほうがいいのか?
浦嶋嶺至のAREA41: 出版社は著作者の権利についてどう考えているのだろう
(追記)
【関連記事】無断電子化出版問題で進展(2006/3/2追記)
■ WEB書籍の著作権その2
先日、とある会社から過去の絶版単行本のWEB書籍化の話があり、その際に「パピレスで先生の作品が、つい最近、WEB書籍として販売され始めた」といわれ、急いで確認した所、パピレス他数社のWEB書籍サイトでダウンロード販売されていました。
単行本のWEB書籍化に関して、身に覚えのない私は、早速、以前の編集やオークスの担当の方に問い合わせました。
それによると、私は「2年ほど前に、担当編集からアンソロ本のWEB書籍化の件を聞いており、印税がもらえない事を承諾してしまった」際に、「売り上げの5%の印税で、単行本をWEB書籍化する事も承諾してしまった」ようなのです。
語尾が「ようなのです」なのは、最近まですっかり忘れていて、会話の内容を「覚えていない」からだったりします。
「覚えていない」のは自分の落ち度なので「しゃーねーなー」と、思うのですが「2年前の口約束」を、今になって「コチラに何の断りもなく、履行された」のは、正直、不愉快でした。
2年も時間が経過すれば、周りの状況(「売り上げの15%の印税で、単行本をWEB書籍化しませんか?」というオファーが数社からきてたり)やコチラの気持ちが変わっても不思議はない、とは思わないのでしょうか?
印税額は微々たるものでしょうが、スジ論として色々もにょってしまったので、取りあえず「今後、自分の単行本をオークスからWEB書籍化するつもりはない」と言う事だけは伝えておきましたが……はてさて、どうなる事やら。
■ (追記)単行本のWEB書籍化の件
アレからオークラさんと色々お話をしまして、新たに契約書を取り交わす事になりました。
その際に、「今後は、単行本をWEB書籍化する1〜2ヶ月前位(WEB書籍化の企画が出た際)には、著作権者である作家と、印税の割合やWEB書籍化そのものの可否も含めた、話し合いをする事を約束して欲しい」と言うような事も、あわせてお願いしておきました(ソレが履行されるかどうかは分かりませんが、一応……)。
ともあれ「自分の事に関しては」ほぼ解決しましたです。これでパピルス等で売られている山咲梅太郎の個人単行本につきましては、「100%了承済み」となりました。
担当者の皆様方には、早急な対応して頂き、本当にありがとうございました。
取り急ぎご報告まで。(2006年2月24日追記)
うめたろーさんの「日記みたいなモノ」で、WEB書籍化に関する問題について少し触れられていた。 うめたろーさんはWEB書籍化に関する契約に関しある程度説明を受けてらしたようだけれど、はっきり聞いてなかった他の作家さんは慌ててらっしゃる模様。 実はうめたろ..
時間がないので手短に済ませますが……結構多い?無断で過去作品アンソロ出されてる人って…(ワシもですけど)とりあえず桜桃・オークラ・オークスで執筆された方は『電子書店パピレス』http://papy.co.jp/↑で、自分のPN・自分が執筆した本の名前で検索してみて下さい...
今後、こう言う問題は繰り返し出てくると思われます。しかし大体において一番ワリを食うのがエロ作家さんなんですよね…景気の波に一番影響されやすいのが中小企業であるように。あと、パピレスには私も自作のCG集頒布に関し「なに?それ」な対応をされた事も(うめたろーさんに比べたら些細な事なんでここには書かないけど)。
そう言えば、平和出版という出版社、何か、倒産したそうで今の出版社はWEB書籍とかでないと生きていけない時代に成っているので、こういったトラブルが先生以外の人でも起こるのかなと思うのですがね…
>克森さん<br>>大体において一番ワリを食うのがエロ作家さんなんですよね<br><br>こう言うときは、まだエロ作家のほうが動けると言うのもありますけどね。<br>一般作家がメジャー出版社に睨まれちゃったりすると、どこからも仕事がもらえなくなりそうで……(汗)。<br>パピレスに限らず電子書籍全体が、まだまだ黎明期というトコロもあって、色々あるのかもしれませんね。 <br><br><br>>五月五郎さん<br>平和出版が倒産したのは別の理由かと。<br>また、出版社が「WEB書籍とかでないと生きていけない時代」と言う事ではないと思います。