2007-01-21 [J]
■ そして、死刑は廃止された
知人に勧められ、図書館で借りて読みました。
フランスが死刑廃止法案を可決するまでの経緯を、死刑廃止を訴え続け、法務大臣となったいち弁護士の視点により書かれた本です。アマゾンの商品説明では
内容(「MARC」データベースより)
自身が弁護した無実の死刑因がギロチンに掛けられたのを契機に「死刑廃止」運動を展開し、死刑保守王国フランスの死刑制度を自らの手で廃止させた一弁護士の戦いの日々を描く。2000年度フェミナ賞受賞作。
[『そして、死刑は廃止された』Amazon.co.jp 商品説明より引用]
と、説明されています。
色々思う所がありましたが、ル・フィガロ誌による死刑廃止に関する世論調査の「特に凶悪な犯罪に対しては死刑を維持する必要がありますか」という質問項目に73%が賛成している、という状況下の元、フランスで死刑廃止法案が可決されたと言うのが驚きでした*1。
あと、「正義の怒りに燃える者」が、凶悪犯に温情票を入れた陪審員や弁護士を脅迫したりする描写を読み、無関係の者が凶悪犯罪者に対して過度に死刑を望んだりするのは*2、なんとなくヘイトクライムと共通する部分もあるのかもと思ったり。もちろん、ヘイトクライムと違って、死刑は合法(日本では)なんですが。
ともあれ、非常に面白かったです。