2005-01-16 [J] 保護観察中の再犯
■ 知り合いの方が
平成15年の保護統計年報を用いて平成15年の保護観察中の再犯について調査してくれましたので、UPしました。
■基本データ
■受理時罪名と関係のない再犯罪名を除いた再犯率のまとめ
保護観察中の再犯率まとめ2(3号観察、再犯率の高い罪名順に整理)
保護観察中の再犯率まとめ3(4号観察、再犯率の高い罪名順に整理)
■犯罪類型でみる再犯率
・「3号観察」とは、仮出獄を許された者に対する保護観察(犯罪者予防更正法第33条第1項第3号)をいいます。
・「4号観察」とは、刑の執行を猶予され刑法第25条の2第1項の規定により保護観察に付されたものに対する保護観察(犯罪者予防更正法第33条第1項第4号)をいいます。
・保護観察中の犯罪に関する資料という性質上、前科のうち最も新しいものだけしか考慮されておらず、また対象者によって追跡調査の期間にばらつきがあると思われます。
・賭博、富くじのように極端にサンプル数の小さいものがあるので注意してください。例えば、保護観察の終了者が20人であれば、そのうち1人が犯罪を犯しただけでも再犯率は5%になってしまいます。
・「受理時罪名と関係のない再犯罪名を除いた再犯率のまとめ」「犯罪類型でみる再犯率」を読む前に、まず「基本データ」に目を通してください。
・「受理時罪名と関係のない再犯罪名を除いた再犯率のまとめ」における「強制わいせつ・強姦」「傷害」「業務上過失致死傷」及び「強盗」の定義は保護統計年報によります。
・「犯罪類型でみる再犯率」における犯罪類型の定義は資料作成者の個人的な見解であり、より適切なまとめ方があるかもしれません。
・強盗のように、複数の犯罪類型にカウントされている罪名があります。したがって、例えば、 保護観察終了者のうち、財産犯罪と暴力犯罪のいずれか、またはその両方に分類される罪を犯す者の割合
=保護観察終了者のうち財産犯罪を犯す者の割合
+保護観察終了者のうち暴力犯罪を犯す者の割合
という関係が必ずしも成り立つ訳ではありません。
■ 調査データに対しての感想とか
保護観察期間がバラバラであったり、福祉法犯や都道府県条例違反が含まれていない等の問題があるので、上記のデータを持ってして「性犯罪の再犯率が低い」と言うつもりは毛頭ないですが、「性犯罪の再犯率は、他の犯罪に比べて、決して高いとは言えないのではないか?」くらいは言っても良いような気がします。
あと、3号観察中(仮出獄を許された者に対する保護観察)は再犯者が少なすぎて、再犯傾向がつかみ難いかもです。再犯傾向を知る事のみが目的で、かつ、忙しい人は4号観察(執行猶予者に対する保護観察)のデータを見るだけで良いかも。
と、言うわけで、忙しい人用に要点のピックアップ↓
保護観察中の再犯率まとめ3(4号観察、再犯率の高い罪名順に整理)
いずれにしても、注釈は必ず目を通しておいて下さい。