2005-01-28 [J]
■ 再入所率
北野さんからトラックバックを頂いたのでチェックしてみたら、馬渕澄夫衆議院議員の1月21日の日記に、法務省が持っている罪名別の再入所率のデータに関する記述がありました。
法務省は犯罪者の同罪種による刑務所への「再入所の割合」という指数でこの「再犯性」に関わる数値を示してくれた。
それによると、性犯罪者受刑者が性犯罪で再入所した割合(再入率という)は7.2%、それ以外のたとえば窃盗など他の罪種での再入率は23.7%である。全受刑者の再入率は32.9%であるから、性犯罪者の再犯性はこのデータからは簡単に結論付けることはできない。
もちろん、「刑務所への入所」が基本のデータなので、執行猶予などの場合は含まれないために、これらの数値が即「再犯」と結びついてはいないことも考慮すべきである。
[まぶちすみおの「不易塾」日記(1月21日付)より引用]
このデータによると、性犯罪者の同一罪種再入所率は7.2%で、窃盗は23.7%、全受刑者の再入率は32.9%で、やはり「性犯罪は再犯性が高い」とは言えないようです。
また、馬渕議員は『執行猶予などの場合は含まれないために、これらの数値が即「再犯」と結びついてはいないことも考慮すべきである』と書いていますが、奥村弁護士の見解(2004年9月12日付)によると、過去5年以内に懲役刑もしくは禁固刑にて服役していた場合や、執行猶予中である場合には、その多くが執行猶予処分とはならないようなので、おおむね「実刑を受けた者の再犯率」に近い数値だ考えて良いかもしれません。
只、このデータは恐らく「5年再入所率」3年再入所率か5年再入所率のデータだと思います。生涯再入所率は(性犯罪者に限らず)もっと高くなるでしょう。(2月26日追記)
何れにせよ、諸澤英道常盤学園理事長がテレビなどで主張した『再犯率7〜8割が世界常識』は、「まったくのデタラメ」と、言ってしまっても、あながち間違いではないのかもしれないとは思います(笑)
「保護観察付き」執行猶予の再犯率ならこちらに紹介されていましたね。
『「保護観察付き」執行猶予の再犯率』を【関連記事】として、貼り付けてみました。