■ 2月19日付公明新聞の主張欄

について、とりあえず電凸してみたり。

そしたら、なんかすごい勢いで電話が鳴ってる状態らしく、そもそも書いた人が電話の担当と異なるので、色んな意味でお話しにならないカンジ。

ラチがあかないので電話は止めて、（時間が取れないのでテキトー上等で）下記のような意見を送付したり。

　2008年2月19日付公明新聞の主張欄「児童ポルノ　根絶へ厳しい規制が必要」について

　全体的に「まず規制ありき」で語られており、事実と異なる点などもみられ非常に問題を感じました。

■単純所持規制　について

　日本の実在児童ポルノの基準は非常に厳しく、欧米で合法的に購入できるものが日本では違法とされている場合も少なからずあります。

　また、日本の場合、鹿児島冤罪事件にあるように、取り調べの可視化が不十分である事などから、捜査権の乱用が心配されている事もあり、（実在児童ポルノの基準が厳しい事なども含め）他の先進諸国と事情が異なるという事も考慮する必要があります。

　児童ポルノビジネス等の国際捜査協力については、所持そのものを違法化せずとも、購入や譲受りけを禁止すれば可能です。これらの事を無視し、「まず規制ありき」の文章となっているのが気になりました。

■秋葉原などの書店で「児童ポルノ」と銘打った本やＤＶＤが堂々と売られている現状は変わっていない。　と書かれている点について

　秋葉原の書店は良く行くのですが、「児童ポルノ」と銘打った本やＤＶＤが売られているのは見た事がありません。仮に、そういうものを売っていた事が発覚したならば、その書店は営業を続ける事は不可能となりますので、そのような実態があるとも考えられませんが、本当にこれは取材された結果なのでしょうか？　それとも、どこかの文章を鵜呑みにされたのでしょうか。調べもせずこのような記事を書いたのだとしたら極めて問題があると思います。

　これが取材した事であり、実際にそういうものを見つけられたのだとしたら、即、通報すべきだと考えますが、通報はされたのでしょうか？

■単純所持を禁止する理由として「鑑賞が、現実の犯罪を誘発する」　と書かれている点について

　様々な研究結果からみると、この理由とは『「コレクター」が新しいコレクションを「作る」為に犯罪を犯す事がある』という事について語っているものとするのが妥当であり、この表現方法では誤解を招く恐れがあると考えます。

■性犯罪者の４割は、子どもの写真やアニメを収集していたという調査もある　と書かれている点について

　こちらはエセル・クエール氏の調査によるものと思われますが、犯罪者が「興味のあるものを収集」するのは当然ですし、別の調査では１割程度だという報告もあり、調べ方によって数値がまちまちです。

　また、確かこの調査では「写真やアニメを収集していた」と言う話ではなく「写真など」についての調査のはずです。いずれにせよ、性犯罪者の「６割ないし９割が子どもの写真などを収集していなかった」ともいえる訳ですので、ポルノ収集によって現実の犯罪を犯すようになるかのような文面は、問題があると思います。

■アニメ大国の責任云々　と書かれている点について

　「表現によって犯罪が誘発される」と言う事を前提に書かれておりますが、メディアの悪影響論については、アメリカの社会学者のクラッパーが実証的に否定をしておりますし、先の参議院第１６８回国会法務委員会においても、法務省の政府参考人が「有害メディアが具体的な犯罪を増やしたという統計は」「承知しておりません」と述べております。

　児童ポルノ禁止法制定時に、保護法益にそぐわないとの観点から、公明党の大森玲子議員なども、絵の規制の条文を外すことに尽力した経緯もありますが、なぜ、あの時や前回の改正時に、絵の規制を盛り込まなかったのか、今一度熟考して頂きたいと思います。

　最近中国ではオカルト映画などを規制する法律を強化しましたが、今回の「主張」欄の記事には、それと同じような空恐ろしさを感じました。

　与党機関誌として、もっと責任をもった記事作りをお願い致します。

はふー