2008-12-29 [J]
■ 性犯罪者GPS装着検討
性犯罪者にGPS 出所時同意で装着、法務省検討法務省は、性犯罪受刑者が出所した後の居場所を把握するため、衛星利用測位システム(GPS)端末を同意の上で装着させることを検討している。GPSを活用した犯罪の再発防止策が欧米などで広がっていることを背景に、日本でも実施の可能性が出てきた。
〔……〕
日本の場合、性犯罪の中で強姦(ごうかん)の認知件数は2000年以降、2000件から2500件の間で推移。06年からは2000件を下回り、再犯率は傷害や詐欺などに比べ低いが、被害者が届けないために統計に表れないケースも多いとみられる。
[中日新聞2008年12月28日 朝刊より引用]
記事では『被害者が届けないために統計に表れないケースも多い』と書かれておりますが、平成18年版 犯罪白書 第6編/第4章/第1節 性犯罪の概況によると『強姦及び強制わいせつの各検挙率は,いずれも一般刑法犯の検挙率を上回り続けている*1』とあり(中でも詐欺の検挙率は低い部類(平成18年の詐欺検挙率は16%)に入ります)、性犯罪だけが(再犯率の)『統計に表れないケースも多い』とは言えず、保護観察中ならいざ知らず、合意の上であっても「刑の執行後」に「GPS装着」させる合理性は今のところなさそげ。
さておき、『同意の上で装着』ならともかく、同意しなかった時になんらかのペナルティが課せられるなら反対せざるを得なかったり。
あと、最初は『同意の上で装着』であっても、「同意者が少ない」とか「義務化を求める声が多い」などを理由として、しばらく後に「装着義務化」とかなりそうでイヤンな感じですね。
てゆうか、再発防止プログラムの結果とかまだ見て無いじゃん。なんでイキナリそんな話が復活してんの?
*1 「被害者が届け出ない」だけでなく「警察が告訴を受理しない」事でも検挙率は上がる傾向にあるので、検挙率が高い事が「良い」かどうかは一概には言えません。
「統計に表れないケース」というのは暗数のことでしょうから、検挙率を見てもわからないのではないでしょうか。そのあたりも含め少し書いてみました。<br>http://d.hatena.ne.jp/rna/20081230/p1
補足乙です〜