2005-01-08 [J]
■ 性犯罪前歴者の情報開示
今の所、性犯罪前歴者の情報開示について、南野知恵子法相は慎重姿勢のようですが、漆間巌警察庁長官が「(情報の開示は)人権の問題などクリアすべき課題は多いが、法制化に向けて積極的に取り組んでいきたい」と述べるなど、性犯罪者の情報の開示について、法務省と警察庁に温度差があるようです。
和製ミーガン法に、情報開示条項が盛り込まれない様に、是非とも法務省には頑張ってもらいたい所です。その前に、和製ミーガン法そのものが要らなんじゃないかって話もありますが(性犯罪者の矯正の為の別プログラムは必要ですが)。
ちなみにミーガン(メーガン)法については、macska さんがミーガン法のまとめサイト(http://macska.org/meg/)を公開していまので、そちらをご覧下さい。論点が分かりやすく整理されていますので、是非ご覧下さい。
■ 相変わらず
報道各社は、まだ再犯率と再犯者率をごっちゃにしているようで、中々頭が痛いです。
強制わいせつの前歴を持つ容疑者が婦女暴行で逮捕された場合は、再犯として集計されていないため、「正確な性犯罪の再犯率を把握できるシステムにする」(漆間長官)方針で、一カ月後をメドに性犯罪全体での再犯率が分かるようにする。
[産経新聞2005年1月7日より引用]
追跡調査が必要な再犯率のデータを1カ月後に把握できるようにするのは、おそらく不可能です。なので、これも再犯者率の事でしょう。あと、性犯罪全体での再犯率だけ開示するのは、公平性にかけるので、他の犯罪のデータも開示するよう求めます。
先日来話題にしている和製ミーガン法導入の是非についてですが、1月8日付の日経新聞が紙面上で「性犯罪者の再犯率が他の犯罪に比べて高いというデータはない」と明言しているようです。法務省がその効果について懐疑的で、他にも「導入は拙速ではないか」という意見が..
漆間長官の発言見ていて、なんとなくですが「警察利権」と言う言葉がアタマをよぎりました……「使えない・実際に使われない」システムでも、いざ運用するとなれば予算は出さなきゃならないんだし。
再犯者率があれだけ細かく出せるところを見ると元になるデータ自体は揃ってるのではないでしょうか。むしろ今まで再犯率の形で資料が出てないのが不思議…
漆間長官が混同してるのか報道機関が混同しているのか<br>いまいち分からんですね。
>rnaさん<br>記事にあるように「性犯罪のみの再犯率」とか、5年再犯率や10年再犯率なら、1ヶ月で作れるかもですね。とりあえずどう言うデータが出てくるか……少し怖いです。
どうも先生、今晩は。<br>初めまして、瀬賀沙実田好樹男です。さて今までは「ファンのものです」のペンネームで書き込んでいましたが本来のペンネームで書くので、今後とも宜しく御願い致します。さて、私も性犯罪者の再犯率について、何で今まで、こういった物を警察は作らなかったのかなと不思議で思うので、こういった資料を作っていれば、あの事件が起きる前に性犯罪者の犯罪が防げたのかなと思うのですが先生は、それについて、どう思うのですか?
はじめまして、おーつかというモノです。<br>「性犯罪」というカテゴリーは今まで警察になかったということだと思うのですが、公然わいせつと強制わいせつを同じカテゴリーに入れていいのか、というのは議論の余地があるかと思います。<br>個人的には、公然わいせつは今まで通り風俗犯の分類で良いのではないかと思うのですが。
>おーつかさんへ<br>>公然わいせつは今まで通り風俗犯の分類で良いのではないかと思うのですが。<br>まったく同感です。カテゴリを広げれば広げるほど、同一カテゴリでの再犯率は上がってしまうので要注意だと思います。<br><br>>瀬賀沙実田好樹男さんへ<br>再犯率のデータは万能では在りません。