2005-01-18 [J]
■ いまだに
再犯率と再犯者率を混同している記事も沢山見受けられますが、全体としては中立的な論調を載せる社説なども増えてきており(↓)
中国新聞 (2005年1月15日)性犯罪者情報 ルールづくり慎重に
琉球新報 (2005年1月15日) 出所情報提供・再犯防止に疑問と懸念
ちょっとだけホッとしてます。中でも、沖縄タイムスの2005年1月15日の社説「性犯罪者情報 矯正プログラムが先だ」は、同意できる部分が多く、とても良かったです。
奈良の事件でわき起こったのは、「なぜ繰り返されるのか」といった不安や怒りだ。
それは、日本の刑務所が社会復帰のための教育に欠けるということの裏返しでもある。
性犯罪者へのきちんとした矯正プログラムを確立することが先決ではないか。病的なものであれば医療刑務所での治療も必要だ。刑期についても検討の余地があるだろう。
効果的な施策をつくり、まずは刑務所の中で再犯防止に取り組むべきだ。
性犯罪者の再犯率が高いとされるが、警察は児童対象のわいせつ事件についてデータをもっておらず、再犯の実態を把握しているわけではない。
制度を導入する前提として「再犯の危険性」を裏付ける必要もある。
実効性にも疑問がある。居住地の把握は、犯罪が起きた場合、威力を発揮するものであって、防止効果につながるかだ。
提供された情報を、どう取り扱うのか、漏えい防止策など課題も多い。
矯正プログラムを施しても、なおかつ再犯が防げない場合、情報提供について検討するというステップを踏むべきだ。
[沖縄タイムス 2005年1月15日社説より引用]
残る不安は、警察庁が出してくるであろう性犯罪の再犯性に関するデータと、報道各社がそのデータをどう伝えるかと言う事ですが……