2005-05-07 [J]
■ 「友だち関係」で、性犯罪者の再犯率半減
性犯罪者の再犯率半減 カナダ・民間ボランティアの「友だち関係」奏功
性犯罪者の再犯を防ぐため、カナダでは市民ボランティアが出所した性犯罪者と「友だち」になり、日常生活を支えるというユニークなプログラムが実行されている。再犯率を半減させる成果を上げている民間ボランティア団体「支援と責任のサークル(COSA)」の活動をルポした。
(中略)
政府の統計によれば、出所後約4年半で、COSAの支援を受けた60人のうち再び性犯罪を犯し有罪となったのは5人(再犯率8・3%)。これに対して、支援を受けなかった出所者の再犯率は16・7%。性犯罪以外の犯罪も含めた再犯率でも、支援を受けたグループは31・7%で、支援なしの43・4%よりも低い。
(中略)
家族や友だちによる「元気ないね、どうした」という日常的な問いかけや助言こそ、性犯罪者にとって最も必要なものだ。治療と社会支援を並行して行うことが、再犯を防ぐ上で最も有効。出所した性犯罪者に「社会のゴミだ。そばにくるな」と言い、社会的に孤立させることが最も危ない。
(中略)
カナダ、英、米カリフォルニア州などの矯正施設が行った性犯罪者約4700人の追跡調査(90〜02年)によれば、出所した性犯罪者が再び性犯罪を犯して有罪になる率は、出所後5年で14%、10年で20%、15年で24%。男児を性対象にする性犯罪者の再犯率が最も高く、15年で35%に達する。
再犯の危険が高い性犯罪者は、すでに複数の犯歴がある者という。1回の犯歴の人物が15年で再犯する率は19%だが、複数の犯歴がある人物の再犯率は37%に上っている。一方、出所して5年間再犯しなかった場合、10年間の再犯率は12%となっている。
[毎日新聞 2005年4月11日 東京朝刊より引用]
やはり、性犯罪者を社会的に孤立させるより、受け入れる方が再犯を防ぐ事に繋がるようです。また、再犯の危険が高いのは「複数の犯歴がある者」である事も明らかのようですね。
取り急ぎ、ご紹介。
【参考記事】