2005-02-26 [J]
■ 強制わいせつの再犯率
法務省の調査によると、強制わいせつが重要犯罪のなかで、再犯率がトップだそうです。
「強制わいせつ・同致死傷」の罪で服役し、2001年中に刑務所から出所した者のうち、8・3%が03年末までに同じ罪で再び入所、警察庁分類の殺人など「重要犯罪」の中で再犯率が最も高いことが24日、法務省の全国統計で分かった。
(中略)
統計によると、01年の強制わいせつ・同致死傷の出所者は242人で、このうち20人が同じ罪で再入所した。別の性犯罪では「強姦・同致死傷」が450人のうち13人が再び刑務所に入り、再犯率は2・9%、「強盗強姦・同致死」は43人のうち1人で2・3%だった。
[Yahoo!ニュース(共同通信2月25日)より引用]
てゆうか、コレ再入(所)率では? ……等という、ヤボなツッコミは止めておいて、なんと、強制わいせつの罪で服役し、2001年に出所した者の8.4%も、同一罪種で再入所しているそうな。
逆に言えば、91.6%しか更生していない事になります。こんな、ヤヴァイ奴らは即、監視対象とすべきでしょう……ん?
……などというネタはともかく、法務省の今回の統計は3年再入(所)率なので、5年再入(所)率や、生涯再入(所)率だと、もう少し高い数値が出ると思われます*1。
また、「強制わいせつ犯の再入(所)率が重要犯罪のなかで最も高かった」というのは、個人的には、予想通りの結果です*2。重要犯罪とは、殺人、強盗、放火、強姦、略取・誘拐、強制わいせつの8罪種ですが、この中で最も犯罪を犯すハードルが低いと思われる「強制わいせつ」の再犯が増えてしまうのは無理からぬ事でしょう*3。
統計期間の違いがあるかもですが、馬渕澄夫衆議院議員の1月21日の日記に
法務省は犯罪者の同罪種による刑務所への「再入所の割合」という指数でこの「再犯性」に関わる数値を示してくれた。
それによると、性犯罪者受刑者が性犯罪で再入所した割合(再入率という)は7.2%、それ以外のたとえば窃盗など他の罪種での再入率は23.7%である。全受刑者の再入率は32.9%であるから、性犯罪者の再犯性はこのデータからは簡単に結論付けることはできない。
[まぶちすみおの「不易塾」日記(1月21日)より引用]
という記述があり、犯罪を犯すハードルが低いと思われる、窃盗など他の罪種の再入(所)率等が高い事が伺えます。
だからといって「強制わいせつ」の再犯性を低く見積もるべきだとは思いませんが、ミーガン法のように性犯罪者の前歴情報を住民に公開しなければいけないレベルの再犯性が「強制わいせつ犯」にあるとは到底思えません。
いずれにしても、犯罪全体から見れば、強制わいせつの再犯性が高くなくても、他の重要犯罪に比べて高いと言う事実があるのならば、その再犯性を抑える努力をすべきだと思います。その為に重要なのは、結局「更生プログラムを充実させる」と言う事になるのではないでしょうか。
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■ 2月23日の法務委員会
漆原良夫議員は犯罪者情報の開示に反対のモヨリ。がんがれ〜。
漆原議員の質問の中でも、「性犯罪者の再犯性が他に比べて高くないので、犯罪者情報の開示は行なうべきではない」と言う趣旨の事が指摘されていました。
「強制わいせつ8%が再犯 重要犯罪でトップ」 「検挙された犯罪者のうち何人再犯者が含まれているか」=「再犯者率」ではなく、「一度処分された犯罪者のうち処分後一定期間内に再び犯罪を犯す人の割合」=「再犯率」に近いデータが出てきたみたい(これは正確には再入所..